クレジットという言葉。クレジットカードや、クレジットタイトルの略として使われることが多い言葉だと思う。
元はラテン語の貸付という意味からきていて、信用や信頼、そこから生じる名声や評判のことを指す。
ある作品のクレジットに、自分の名前を入れるか入れないか
という話をしていたとき、ある人から「クレジットの直訳は信用だ」
と言われてなるほどと思った。
基本的には、自分がした仕事なのだからクレジットを入れるべき。
それがどんなに不本意な物に仕上がったとしても。自分が作った責任というものがある。
クレジットとして名前を出すというのは、自分が作ったという顕示の意味もあるが、品質保証の意味合いもあると思う。
ある作家先生が映画の脚本に携わったのに
「小説家仲間にこれが自分の脚本だとは思われたくない」
とクレジット表記を辞退したことという話を聞いたことがある。
自分の作品であると記すこと。
それは、「あなたの作品だから手に取る」というファンの方に対して恥じない自分の全身全霊、魂を注ぎ込んだ作品であるべきだ。
自分の実力が及ばずまたは価値観なが合わずに「つまらない」と言われるのは残念だが仕方ない。
自分が作ったものを他人に不本意に壊されて自分のものだと到底言えないものを他人の目に触れさせるのは、矜持に関わることだしやはり信用問題にも関わる。
気持良く名前を出せる作品ばかりが作れるかと言ったら、やむを得ない事情でそうならないこともあるし、それでも名前を出さなくてはならないこともあるだろう。
そんな中でも、誇りを捨てずにできる限り真摯に向き合っていきたい。